Luna（Ogikubo Apartments）｜ ルナ（荻窪の集合住宅）
Suginami,Tokyo,2006-2008

〈切妻屋根で広さと収納を両立する建築〉
荻窪駅に近い住宅地に建つ賃貸併用住宅である。
施主は賃貸事業経営者だったこともあり、事業収支上一番効率の良いプランが求められ、
いかにしてワンルーム賃貸の戸数を多くするかが本計画の出発点となった。

道路から直接入ることができる１階はワンルーム賃貸を４戸、共用階段から入る２階の半分にワンルーム賃貸を２戸、
２階の半分と共用階段から入る３階はメゾネット形式のオーナー住戸とする構成。
建物のヴォリュームは天空率による道路斜線緩和を受けシンプルな切妻屋根の家型とし、
この敷地での最大容積を確保しながら周辺の街並みに配慮した外観としている。

構造形式は耐震性とコストを両立した壁式鉄筋コンクリート造。
外装は断熱材裏打ちのガルバ二ウム鋼板仕上げとし、外断熱工法を選択した。
賃貸ワンルーム住戸は１９㎡と通常より小さいながらも、片側に全ての水回りを寄せ廊下をつくらない住みやすく合理的な間取りとし、
部屋の両側に間口いっぱいの開口部を設け広さを感じられるよう配慮した。

またオーナー住戸については、広さを感じるリビングと十分な収納スペースが欲しいとの要望があり、
最終的には切妻屋根の半分を３階リビングの吹抜けとして利用し、もう半分をロフトとして利用することで、
広さと収納を両立する建築をめざした。