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K-House in Karuizawa 軽井沢 K邸
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K-House in Karuizawa 軽井沢 K邸

K-House in Karuizawa | 軽井沢 K邸
Kita-saku,Nagano,2010-2012

〈新しい眺めを創出する絵画的な窓〉
軽井沢・離山の麓、なだらかな斜面に建つ別荘のゲストルーム増築と母屋の外壁改修である。
母屋は5年前、工務店の設計施工で新築されており、その設計案選定と工事監理をしたのが縁で依頼を受けた。
傾斜地のためコンクリート基礎が一層分超と大きく、その上に外壁が角波のガルバニウム鋼板貼りの1階と、 羽目板貼りの2階が載る外観構成で、
3階建て規模の高さをもつ木造建物だった。

K邸の魅力は、何といっても室内から外部へ広がる「パノラマ的な自然への眺め」である。
1階にいても3~4階の高さで外部を感じ、まるで木立の中にいるような錯覚を覚えてしまう。
傾斜地という敷地のハンディを逆手にとったことで獲得できた「眺め」は、「離山」という場所を最大限に生かした結果である。
その「眺め」を生かしながら、また違った「新しい眺め」を創出することが、今回の設計テーマとなった。

施主は、二部屋増やして、建物の顔に凸凹を付け、外壁をガラッと変えて、テラスの場所を変えて大きくすること、を要望した。
まず、敷地斜面の高低差を利用して増築棟を母屋の前面である傾斜の低い方に少し離して、また母屋の基礎と同じレベルで配置した。
増築棟は左右がゲストルーム、中央がラウンジピットのある前室とし、前室と母屋のリビング・ダイニングとを階段でつなげた。
そうすると、母屋の1階床レベルと増築棟の屋根のレベルが同じになるので、その屋根の上に母屋の大きな板張りのテラスをつくり、
幅いっぱににベンチを設えた。リビングの窓サッシはテラスサッシへ交換し、奥行4mの大きなテラスに直接出れるようにした。

母屋の「パノラマ的な窓」に対し、ゲストルームは「絵画的な窓」とすることで、
離山の風景を切り取る「新しい眺め」 を創出し対比できないかと考えた。
母屋の水平に連続する窓に対して、ゲストルームの窓は軽井沢のランドスケープから風景を選び出し、景色を絵画のように切り取る。
この開口を絵画のようにするために窓をフレーム枠で囲った。この大きくて奥行のあるフレーム枠は額縁の役割を持ちながら、
室内では下端が窓際のベンチとなり、外部では建物の顔に凸凹を付ける役割も果たしている。

さらに、絵画のような開口を生かすために、壁と天井は漆喰、床はモザイクの大理石とし、室内を全て「白色」で仕上げた。
フレーム枠が外部にも貫通しているので、外壁もそのまま漆喰塗りとし、結果、増築棟は内・外部とも全て「白色」となった。
増築棟外壁を漆喰塗りとし「白色」にしたので、その対比を明確にするために、母屋の外壁は黒漆喰塗りとし「黒色」へと改修した。
ただ、母屋とゲストルームとの接続部分である階段・前室は黒漆喰塗りとし「黒色」として、「白色」の増築棟に貫入している。
(白い増築棟の二つの大きな窓の間にある黒い部分がラウンジピットがある階段・前室となっている)

ゲストは母屋から入り、必ず「黒色」の空間:階段・ラウンジピットを通ってから「白色」の空間:ゲストルームへ行き来する動線としている。
「黒色」と「白色」の空間対比を加えることで、「新しい眺め」=ゲストルームの「絵画的な窓」をよりドラマチックに演出する効果を狙った。
最終到達地点であるゲストルームの「絵画的な窓」から軽井沢の自然を見て、あらためて生きていることを再認識できるような建築をめざした。