RATEL HEART Building ｜ ラーテルハートビル
Suginami,Tokyo,2019-2020

〈都市にカモフラージュする建築〉
高円寺駅から近い開けた十字路に建つ築30年の事務所ビルの外壁改修である。
依頼があった時、すでに立体看板「ラーテル」（社名の由来であるイタチ科の生き物）の屋上設置が決まっていた。
施主はタイルを使ったカモフラージュ柄の外壁イメージを持っていたが、カモフラージュ柄そのままでは景観条例をクリアできないことがわかった。

「世の中にないものをつくりだしていきたい」 というラーテルハート社の企業理念を表現すべく、景観条例の範囲内で５０角のタイル４色を選び、
同条例の範囲内での面積配分で組み合わせ、ユニークな立体看板「ラーテル」と「周辺の街並み」とを緩やかに繋げながらも、
街のランドマークになるようなタイルパターン＝外壁デザインを、施工方法とコストも含め模索した。

タイル４色は空や近隣建物など周辺環境にある色からできるだけ近い色を選び、あえて１階部分のみ既存タイルを記憶として残し、
都市にカモフラージュする建築をめざした。